
3.1.1.1.6.7.2 認識要件と設計指針
会議では、システム設計の基本となるべき設計指針について、ADSPによって作成された認識要件案と設計指針案に基づき、ADS−B,TIS−B(放送型飛行情報サービス)等の一部の想定業務に関する有効性、継続性、完全性等についての設計指針案を作成し、関連パネルとの調整を行うこととして、以下の勧告に合意した。
勧告5/1 航法及び監視用データリンクのための認識要件と設計指針に関する調整
ICAOは、早急に詳細な検討を行うために、航法及び監視アプリケーション用データリンクに関する認識要件と設計指針を確実に他のICAO組織に提出すること。
3.1.1.1.6.7.3 VDLモード4に関する作業進捗
会議では、VDLモード4に関連したトライアルと開発状況に関する欧州連合での活動状況が数多く報告され、その結果は順次パネルに提出されていくこととなった。ICAOでのVDLモード4標準化に向けた議論の中で、SICASPが検討中のモードS拡張スキッタが同様に候補システムであることや航法及び監視用データリンクの運用要件が確定していないことなどが指摘され、その検証活動を開始する以前に、CNS機能の組合せによる安全性やシステムの汎用性等の評価項目が数多くあることも指摘された。また、今後VDLモード4と音声/データリンク・システムの共通化を検討する必要性があることも認められた。
3.1.1.1.6.8. 議事項目6(HFデータリンクの実現性に関する報告検討)
3.1.1.1.6.8.1 概要
1994年のADSP/3の勧告に基づき、ADSやCPDLC等のようなATSアプリケーションをサポートするATNのサブネットワークのひとつとしてHFデータリンク利用の技術的実現性を評価するため、1995年7月に設けられたHFデータリンク特別(Ad Hoc)ワーキング・グループの検討報告が以下のように行われた。
・HFデータリンクは、ATNとの互換性を有する。
・HF音声から衛星を含むデータリンクに移行することにより、将来的には既存のHF周波数をデータリンクに利用できることになるが移行中の周波数確保が問題となる。
・HFデータリンクは、衛星データリンクとの共通部分が少なく、双方を同時に停止させるような故障の発生確率は低い。
結果として、衛星通信(SATCOM)データリンクを補完するHFデータリンクの有効性が認められた。また、この報告の中の航空機サブシステム、地上局サブシステム、地上間通信サブシステム及び管理サブシステムに関する記載は、今後のSARPs及びガイダンス・マテリアル作成に利用されることが合意された。
3.1.1.1.6.8.2 HFデータリンク・トライアル
3局のHF地上局を使用して1993年から開始された北大西洋上のトライアル(現在のHF搭載機数は31で使用キャリアは6波)の内容が報告され、冗長系SATCOMが98.9%のデータリンク・アベイラビリティを有するのに対し、SATCOMとHFの組合せにより、99.94%のアベイラビリティ
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